先日は、新たな試みの別誂え人形を製作する機会を得ましたので、ここでご紹介をさせて頂きたいと思います。 兵庫県Cさんよりご感想を寄せていただきました。お写真とともにお読みください。
「朋さんとの出会いは、2017年に市松人形の修理と着物の仕立て直しを依頼したことがきっかけでした。50年以上前、母がお嫁入り時に祖母から送られた人形は、色褪せて可哀想な状態になっていましたが、朋さんのおかげでまるで生まれ変わりました。私のお宮参りの着物を仕立て直していただいたのですが、祖母・母・私の3世代がお人形でひとつに繋がったようにさえ感じられました。そして何より母がとても喜んでおりました。
工房朋さんの技術に敬服した私は、あることを思いつき、朋さんに伺ってみることにしました。それは二人の娘がこどもの頃、ピアノやバイオリンの初舞台で着用したドレスをお人形用にできないかということでした。無理を承知で伺ったにもかかわらず、朋さんは「初めてですが、やってみましょう」と二つ返事で引き受けて下さったのです。
そして、どこかしら娘たちの幼い頃の面影があるお人形を選び、ドレスをオーダーすることになりました。ワクワク待つこと約2ヶ月。工房より送られてきた箱を開けて、またしても私は感嘆の声を上げてしまいました。 思い出がつまってどうしても処分できず、クローゼットに眠っていた20年以上前のドレスが、まるで最初からお人形の為に仕立てたかのようにピカピカのドレスに変身していたのです。 裾にあったレースは、お人形の髪や胸元の飾りとなり、内側のアンダードレスは花飾りやパールが施してあり、細部にわたるまで可愛らしい夢があふれる仕様になっていました。私は、この年になって宝物となるお人形と出会うことができるなんて、思ってもみませんでした。こうしてピンクのドレスのお人形は、リビングで我が家の日常を優しい微笑みで見守ってくれています。」
ご感想は以上となります。
私どもの洋人形は今まで古いお着物地などからお作りすることがほとんどでしたので、元からドレスのものを小さく人形用に制作することは初めての試みでした。
C様の例のように、今後は思い出のこもったドレスをも形を変えてお側にずっと置いていただけるような人形を制作していきたいと考えております。
工房朋
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